信用情報機関に登録されている信用情報に異動情報と呼ばれる金融事故情報が登録されると、いわゆる信用ブラックであったりブラックリストに載るという風に言われる事があります。
ブラックリストに登録されてしまうと一定期間その情報が残り、新規にクレジットカードやローン等の申込みをしても審査に通らなくなってしまいます。そんなブラックリストに載る理由や、自分にとって不都合な情報を消すことができるのかについて紹介します。
尚、実際にはブラックリストと言うものは存在せず、単なる事実だけが登録されているもので、審査で良い評価をされる場合もあります。
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ブラックリストに載る主な理由
ブラックリストに載る主な理由としては、大きく「支払遅延」と「債務整理」の2つの理由があげられます。順番に詳しく解説します。
支払遅延(延滞)
- 返済日より61日以上又は3ヶ月以上の延滞がある場合
まず多いのが、支払遅延と呼ばれるものです。クレジットカード等は請求があれば必ず支払日に請求額を支払う決まりになっています。しかし、何らかの事情で支払ができない状態が続いた場合には支払遅延となります。
具体的には、61日以上又は3ヶ月以上の延滞をした場合には異動情報として日時と共に信用情報に登録されてしまいます。
また、これに該当しない少しの遅れの場合、CICなら毎月の入金状況の項目に支払日に入金が無かった事を示す「A」といった記号が付きます。当然ながら、Aが沢山あれば審査では支払にルーズな人というような判断をされる事もあります。
携帯端末の分割払いも対象
注意点としてNTTドコモやau、ソフトバンクといった携帯会社はCICなど信用情報機関に加盟しています。
携帯電話の端末を分割払いで支払っている場合、毎月の通話料の請求と一緒に請求されるので、毎月の携帯料金の支払を滞納すると同様に信用情報に支払遅延の情報が登録されるので注意が必要です。
この割賦契約は例えば未成年者の場合で、契約者と支払名義人が異なる場合、信用情報への登録は契約者の方の情報となります。
ちなみに18際以下で発生した延滞や20歳未満で発生した延滞はそれぞれ十分注意や留意といったコメントも登録されることもあります。
奨学金も信用情報に登録される
奨学金の返還について、日本学生支援機構では信用情報機関に加盟し、個人信用情報取扱に関する同意書を提出している場合には、延滞3ヶ月以上の場合に支払遅延の情報が登録されます。
債務整理
債務整理は一般的に借金を減額又は免除するもので、主に以下の3つがあります。
- 任意整理
- (個人)民事再生
- 自己破産
これらのいずれかを行うと、信用情報に異動情報として登録されます。債務整理の情報が登録されるとCICなら解約後5年間登録されたままになるので、その間はクレジットカードすら作れなくなります。
任意整理
任意整理は、いわゆる借金の減額や金利のカットなどを裁判所を通さず弁護士や司法書士に依頼し、毎月の返済額を生活に支障をきたさないレベルに減額する交渉を貸金業者に代わりにしてもらうものです。
これにより、和解が成立すると一般的に取引開始時点までさかのぼり、利息制限法の上限金利に金利を引き直し計算し、減額された元本のみを分割返済していく形になります。
(個人)民事再生
個人の民事再生は、住宅や効果な財産を処分することなく借金を大幅に減額する方法で、自己破産とは違って借金の返済は分割して返済していくことになりますが一定の財産を維持できます。
個人民事再生の場合は任意整理とは異なり裁判所に現在の状況では返済が困難である事を裁判所に認めてもらう必要があります。
また、自己破産は資格制限があり、旅行業者や警備員、生命保険募集人など一定の職業に就けなく場合もありますが、個人民事再生であればこのような制限は有りません。
自己破産
自己破産は、裁判所に支払不能であると認めてもらうもので、認められると法律上の返済の義務が免除されるものです。
任意整理や個人民事再生でも返済が難しく、収入も少なく財産を処分しても借金を返済することができない場合などはこの方法になります。もちろん住宅や車などの財産がある場合には処分しなければなりませんが、毎月の収入は生活費に当てる事ができます。
申込みブラック
申込みブラックは、先程紹介したものとは性質が異なりますが、短期間に何社もの申込みを行っている場合にこう呼ばれます。いわゆる多重申込みという状態です。
信用情報では、このような申込情報も登録され6ヶ月間保管されます。この間に何社もクレジットカードやキャッシング等の申込みをすると、審査の際によほどお金に困っているという印象を与える可能性があります。
審査に通るか心配だからといって一度に何社も申込みをするとこの様に審査ではネガティブに判断される可能性もあるので避けた方が良いです。
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経過状況や終了状況も登録される
信用情報で支払遅延、債務整理などの発生があれば登録されますが、適時更新も行われます。これは、CICなら経過状況や終了状況といった項目に登録されます。
経過状況
支払遅延や債務整理などの異動が発生したその後の経過が報告され登録されます。
主に「支払条件変更」と「支払総額変更」があり、いずれもクレジットカード会社等と和解や再契約によっていずれかの変更が行われればその日付と共に登録されます。
終了状況
終了状況は強制解約等によって契約が解除された事を意味します。きちっと支払をして完了となっていればまだましですが、以下のような登録がされているとかなり印象が悪いです。
本人以外弁済
これはいわゆる保証履行や代位弁済で、保証会社や保証人が債権を立て替え支払われた事を意味します。
貸倒
いわゆる踏み倒しで、会社側が債権の回収が出来なくなった場合に貸倒として処理をした事を意味します。
移管終了
複数契約の債権を一括管理するためや、第三者に債権を譲渡した事を意味します。
法定免責
いわゆる自己破産で、裁判所を通じて法的に支払免除が認められた場合。
ブラックリストに登録された情報を消すことはできる?
信用情報に支払遅延や異動情報などが登録された場合、その情報を消すことができる場合とできない場合があります。
登録された情報を消せる場合
- 本人が申告した情報
- 間違った情報が登録された場合
まず、信用情報は本人が申告した情報も登録されます。主に同姓同名や同じ生年月日の別人による誤与信防止の為の申告や、本人確認資料の紛失・盗難といった申告、名義の冒用の可能性を申告し登録された情報です。これらは本人の意思で削除することができます。
また、きちっと支払をしていたのに支払遅延の情報が登録されていたり、契約していない割賦契約やローン契約などが登録されていた場合など間違って登録されている場合などは、登録したクレジットカード会社等へ連絡して削除してもらうことができます。
事実は消すことができない
支払を遅れてしまい、異動情報として登録されてしまった場合、債務整理をした情報など事実である場合にはその情報を消すことはできません。保管規則に則って期限まで登録されたままになります。
どのよな事情があったとしても、信用情報に登録された自分にとって不都合な情報を消すことはできないので保管登録期限が過ぎるのを待つ他ありません。
ブラックリストに登録された事実情報を消す裏技もありませんし、合法的に速やかに消す方法も残念ながらありません。そもそも、そういう事に同意してクレジットカードやローンを申込みしている訳ですから文句も言えません…