クレジットカードとカードローンは、どちらもよくCMなどで耳にされると思います。これら2つのカードは同じ金融系のカードで信用を担保とするものですが、その機能は異なるものです。クレジットカードは簡単に言えば立替払いをしてもらうカードです。カードローンは現金を借りるカードです。
ただ、クレジットカードにもお金を借りるキャッシングがありますので、少し詳しくクレジットカードとカードローンの違いを紹介したいと思います。
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目次
クレジットカードとカードローンの違い
クレジットカードとカードローンの主たる違いはその機能にあります。
クレジットカード | 立替払いによるショッピング機能がメイン |
カードローン | 現金を借りるローン機能がメイン |
クレジットカードはショッピング機能がメインのカード
クレジットカードは、買物やサービスを受ける際にカードを呈示する事でその場では現金を支払わずに支払(決済)ができるカードで、基本はショッピング機能がメインとなっています。立替払いでカード会社が定める支払日に口座引落などで払う形になります。
クレジットカードによっては、お金を借りるキャッシング機能も付いている場合があります。キャッシング機能が付いているクレジットカードでも審査によってキャッシング枠が0の場合もありますし、そもそもキャッシング機能がないクレジットカードもあります。
カードローンはお金を借りるカード
一方のカードローンは、金融機関やコンビニなどに設置してあるATMやCD機を利用して、現金を借りる為のカードです。(口座への振込もあります)
カードローンのカードはクレジットカードのように国際ブランドは付いていませんし、お店でカードを呈示してもショッピングをする事はできません。純粋にお金を借りるだけのカードです。
尚、カードローンという呼称は銀行や信用金庫などの協同組織金融機関のものを言いますが、信販会社も貸金業者もこの名称を使っている場合もあります。ローンカードやサラ金カードなどと呼ばれています。
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クレジットカードとカードローンの違いを比較
次にクレジットカードとカードローンの違いを項目別に比較した表です。
項目 | クレジットカード | カードローン |
---|---|---|
年齢 | 18歳以上から | 20歳以上から |
年会費 | 無料又は有料 | 無料 |
審査 | あり | あり |
信用情報 | 確認あり | 確認あり |
ショッピング利用 | 可能 | 不可 |
キャッシング利用 | 可能* | 可能 |
キャッシング枠 | 0~100万円程度 | 数万~1,000万円程度 |
キャッシング金利 | 信販系は高め 銀行系は低め |
信販系は高め 銀行系は低め |
追加カード | ETCカード 家族カード 付帯保険 電子マネー等 |
なし |
優待・特典 ポイント |
あり | なし |
関連法律 | 割賦販売法 貸金業法又は銀行法 |
貸金業法又は銀行法 |
入会できる年齢の違い
入会が可能な年齢は、クレジットカードはクラスによりますが、一般的に高校生を除く18歳以上の方に入会資格があります。カードローンは、20歳以上からしか入会が出来ません。
カードローンの年齢が20歳からの理由としては、社会的責任が取れるか?というのがポイントで、貸付ける側としては法律的にリスクがある為です。例えば民法では未成年者は親権者の同意が無いと契約出来ません。これはクレジットカードも同様です。
また、もし未成年者が親権者の同意なしに契約した場合はいつでも取消しできると定められています。貸す側としては、貸したのに契約を取消されると困ります。従ってカードローンではこの様なリスクを避ける為に自己の責任と判断において契約できる20歳以上からとなっています。
年会費
クレジットカードは、年会費無料のものも有りますが、一般的には年会費が必要となります。数千円のものから、ゴールカードになると数万円の年会費が必要なクレジットカードもあります。カードローンに関しては一般的には年会費といった費用は必要なく持つ事ができます。
キャッシング枠の違い
それぞれのキャッシング枠の比較では、クレジットカードでお金を借りるキャッシング枠は小口融資が基本となっており、カードローンよりも枠の限度は低く設定されています。一般カードでは0~50万円の範囲で審査で決まります。上位クラスでも100万円位までです。
一方のカードローンは、銀行系なら1,000万円が限度といったものもあります。とは言え、どちらも収入と実績に見合った枠しか設定されませんが、カードローンの方が枠の上限としては高い傾向にあります。
金利に関してはもう少し後のクレジットカードとカードローンの金利で解説しています。
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追加カードやサービスなどの違い
クレジットカードには、ETCカードや家族カード、電子マネーといった追加カードや追加機能を選択する事が可能です。また、クレジットカードには付帯保険や各種優待・特典、ポイントサービスなどが用意されており、メインのショッピング機能以外にも様々なものがあります。
それと比較してカードローンには追加のカードなどは有りません。カードローンは契約した本人でしか利用できず、家族カードなどは有りません。別途個々で審査・契約が必要となります。また、基本的にポイントサービスなどもなく、純粋にお金を借りる為だけのカードとなっています。
返済の方法
返済の方法は、いずれの場合もそれほど変わりません。現在はどちらもATMやCD機で都合に合わせて途中で返済も可能ですし、一般的な口座からの引落しも可能となっていますので、返済の方法についてはあまり違いはありません。
法律の違い
クレジットカードでは、クレジット取引等を対象とした「割賦販売法」の対象となります。割賦販売法はでは以下のような目的があります。
- 購入者などの利益の保護
- 割賦販売等にかかる取引の公正化
- 商品流通、役務の提供の円滑化
クレジットカードのキャッシングでは、信販会社の場合は「貸金業法」の範囲となり、銀行の場合は「銀行法」が適用される事になります。
また、カードローンも同様です。消費者金融や信販会社の場合は貸金業法が、銀行系の場合は銀行法となっています。貸金業法と銀行法での大きな違いは、総量規制と呼ばれるものです。総量規制には以下のような特徴があります。
- 個人の借入総額が年収の3分の1までに制限
- 自社の貸付残高が50万円を超える貸付を行う場合、あるいは他の貸金業者を含めた総貸付額が100万円を超える貸付を行う場合、収入を明らかにする書類の提出を求める(与信枠が50万円を超える場合も含む)
いずれにしてもこれらは利用者保護の為の規制で過剰貸付で借金地獄にならないような対応となっています。消費者金融など貸金業者は収入と限度に合った額しか貸付出来ませんし、利用者も同様です。
また、無職など収入がない場合は借入総額が年収の3分の1ですので、年収0に何を掛けても割っても0にしかなりませんので結果借入は出来ません。
一方で銀行は貸金業者ではなく、銀行業ですのでこの総量規制の影響を受けませんので、いくら貸付けても多重債務になろうと関係ありません。消費者金融や信販会社はそう言うわけにはいきません。
最近では金融庁が銀行への過剰貸付など銀行カードローンが多重債務の温床となっているとして立ち入り調査や規制について検討していますが、銀行側は反発しています。ただ、一部銀行はこれをみて自主的に総量規制のような独自の規制を設けたりするようになっています。
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クレジットカードとカードローンの審査に違いはある?
クレジットカードとカードローンの審査の違いに関しては似ている部分があります。
どちらも年齢などの入会資格を満たしているか、職業・職種・年収、家族構成や居住形態といった属性、信用情報の確認といった基本的なスコアリングは有ります。
クレジットカードに、お金を借りるキャッシング枠を付けなければ、普通に仕事をされている方なら審査に通る可能性は高いです。、キャッシングを希望する場合その分、ショッピング枠とは別にキャッシング枠の審査があります。それを考えるとより審査に通りたい場合はキャッシング枠を希望せずに申込む方が良いです。
違いといえば、カードローンやキャッシング枠を希望する場合には、きちっと申告した勤務先で勤務をしているかの在籍確認が行われます。他にも、信販系や消費者金融系なら総量規制の対象になるかどうかの確認が行われます。これは、収入を証明する書類の提出や、信用情報などから確認をされます。
審査はどちらが簡単か、緩いか、というようなものではなく単に基準を満たすか満たさないかだけの話で、過去に借りたお金の返済が遅れたなど信用情報に問題がある場合はほぼ審査には通りません。
カードローンやクレジットカードのキャッシングは、安定継続した収入がある事と収入の証明、そして場合によってはその会社に勤務実態があるかの確認が行われます。事業者としては総量規制に違反して貸付を行うと行政処分の対象となってしまう為、きっちり行われます。
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クレジットカードとカードローンの金利
クレジットカードのキャッシングと、カードローンの金利は大きく異なる場合があります。この金利の違いが返済する際の利息に影響してきます。
金利について
金利は利息を計算する際に必要な率です。クレジットカードのキャッシングであれ、カードローンであれどちらにしてもお金をかりて返済する際には利息をプラスして返す必要があります。
この利息は金利によって計算され、金利は%で表されており実質年率というような表現となっています。これにより利息が何円なのかが分かるようになっています。
一般的に利息の計算方法としては、
利用金額(利用残高)×金利(年利)×利用日数÷365
となっています。
この金利が低ければ低いほど、利息はより少なくなります。逆に金利が高くなるとその分支払う利息も増えます。
両者の金利の違い
金利に関しては、クレジットカードのキャッシングの方が基本的には金利は高めです。一方でカードローンの場合、銀行系カードローンは低く設定されている場合が多く、信販系や消費者金融系の場合は貸金業法で定められた上限に近い金利となっています。
下の表はクレジットカードのキャッシングの金利と、カードローンの金利を比較した表ですが、特に銀行系カードローンは金利が低めに設定されています。
項目 | キャッシング・カードローンの金利 |
---|---|
クレジットカードA (信販系) |
15.0~18.0% |
クレジットカードB (信販系) |
12.0~18.0% |
クレジットカードC (信販系) |
14.4~18% |
カードローンA (消費者金融系) |
12.0~18.0% |
カードローンB (消費者金融系) |
4.5~17.8% |
カードローンC (銀行系) |
1.8~14.6% |
基本的に通常の会社であれば出資法上限金利である20%を超える事はありません。
尚、利息制限法によって元本の額に応じた最高限が以下の通り決まっています。
元本 | 利率(制限利率) |
---|---|
元本10万円未満 | 年2割(20%) |
元本が10万~100万円未満 | 年1割8分(18%) |
元本が100万円以上 | 年1割5分(15%) |
これらの各項の利率を超える場合はその超過部分は無効となり、事業者は行政処分の対象となります。また、20%を超える=出資法上限金利を超えると今度は事業者は刑事罰の対象となります。
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クレジットカードとカードローンの返済
クレジットカードのキャッシングや、カードローンを利用して借りたお金の返済については、どちらも同じような返済方法が用意されており、好きな方法で返済できます。主な返済方法には以下のようなものがあります。
- ATM・CD機での返済
- 振込での返済
- 口座振替による返済
街のコンビ二などで返済が可能
コンビニや金融機関にはATMやCD機が設置されています。そこから借りたお金の約定返済金額を返済をする事が出来ます。この方法は、指定された約定返済期日までに入金して返済する方法の一つとなっており、指定された返済日よりも前に返済しておきたいという方にはおすすめの方法です。
振込をして返済する
こちらも、信販会社や消費者金融、銀行などの指定振込口座へ約定返済金額を入金して返済する方法で、指定された約定返済期日までに入金して返済する方法の一つです。
口座振替による返済
口座振替による返済は、信販会社や消費者金融、銀行などが指定した約定返済期日に自動的に引落しされ返済する方法で、上記2つの方法で約定返済金額を返済していた場合にはこの方法では引落しされませんが、なにも返済しなければこの方法で返済される通常の返済方法です。
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返済方式について
返済方式は、信販会社や消費者金融、銀行のそれぞれで異なる場合があります。
主な返済方式としては、
- 一括返済
- リボルビング払い
があります。借入金額によっては出来る限り一括返済をする方が利息も少なくて済みお得です。一括返済が難しい場合には、リボルビング払いによる返済があります。
リボルビングには主に以下のような方式があります。いくつか種類がありますが、これらのリボルビングの返済方式は自分で好きな物を選択できる訳ではなく、あらかじめ会社側の定める方式に従う形になります。
返済方式 | 内容 |
---|---|
元金定額返済方式 (元金定額リボルビング方式) |
毎月一定の支払額に利息を加えて返済する方式 |
元利定額返済方式 (元利定額リボルビング方式) |
毎月指定した定額(利息を含めた)を返済する方式。定額のうち利息を除いた額を元金返済へ充当される |
残高スライド元利定額リボルビング方式 | 借入残高によって返済額がきまっており、定額のうち利息を除いた額を元金返済へ充当される |
借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式 | 借入直後の残高に応じて返済額が決まる方式で、その定額のうち利息を除いた額を元金返済へ充当される |
借入後残高定率リボルビング方式 | 借入直後の残高に一定の割合を掛けた金額を返済していく方式(アコム) |
消費者金融のカードローンでは、借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式が多いです。単に定率リボルビング方式や残高スライド元利定額リボルビング方式と表示されている場合もありますが、よく読むと最終借入後といった事が書かれています。
一方、クレジットカードのキャッシングでは、元金定額返済方式、元利定額返済、残高スライド元利定額リボルビング方式などが採用されています。また、ボーナス併用払いやボーナス月のみ元金定額払いなどもある場合があります。
元金定額と元利定額の違い
リボルビング方式はいくつもあり、ややこしいですがポイントを抑えておくと把握しやすいです。
元金定額は、1万円借りていた場合で毎月の返済が5,000円+利息を返済する形になります。本来借りていた元本への充当は5,000円となります。これが、元利定額になると5,000円の中に利息が含まれていますので、元本への充当は5,000円より少なくなります。
- 元金定額の方が元金への充当が多いので元利定額と比較すると結果返済は早くなる
- 元利定額は毎月の返済額がはっきりしており返済計画が立てやすい傾向にある
残高スライドと借入後残高スライド
残高スライドは、借入残高の金額によって返済額が決まるもので、基本的に借入残高が多いと毎月の返済額も高くなります。借入残高が減っていくに連れて、毎月の返済額も低くなっていきます。
また、借入後残高スライドの場合は借入をしなければ返済額は変更されないというもので、初めに借入てそのまま新たな借入がなければ最初の返済額をそのまま返済していく形になります。もし途中で借入をしたらその時の残高に応じて返済額が変わります。
借入後残高定率リボルビング方式(定率リボルビング方式)は、アコムで採用されているリボルビングの返済方式で、最後に借入をした借入残高に契約する極度額(利用限度額)に応じたパーセントを掛けた金額が最少返済額となる方式です。
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クレジットカードとカードローンではどちらがお得?
クレジットカードか、カードローンではどちらがお得かという話になると、目的によって変わってきます。
- ショッピング利用なら断然クレジットカードがお得
- 現金が必要な場合はカードローン
ショッピング利用であれば、クレジットカードの方が余計な手数料もかからずポイントも貯まるのでお得です。わざわざカードローンやキャッシングでお金を借りてまで買物をする必要性はありません。
一方で、クレジットカードでは買物できない、又は冠婚葬祭費用などが厳しい場合に現金が必要といった場合にはクレジットカードのキャッシングよりも、カードローン、特に銀行系カードローンでお金を借りる方がお得です。
但し、信販系や消費者金融のカードローンを利用する場合であれば、クレジットカードのキャッシング機能を利用してお金を借りても金利的にはそれほど変わらない場合があります。
銀行系以外ではおそらくどちらにしても、18%など高めの金利が適用されます。よほど借入額が大きいか借入と返済の実績が多いなら通常よりも金利が低くなる場合もありますが、ちょっと利用しただけだとか、小口利用であれば金利の差はそれほどないと思います。