クレジットカードにはショッピング保険が付帯しているカードがあります。この保険は、クレジットカードで買物をした商品が壊れたり、盗難に遭った場合にその損害を補償してくれるという保険サービスです。
ショッピング保険が付いているクレジットカードなら、別途保険料を支払う必要はなく無料で付いているのでお得です。しかし、やはり保険ですので細かく補償内容や条件、何日以内といった規定があったり、自己負担金が必要だったりします。
ここではクレジットカードのショッピング保険について使える場合や使えない場合などその内容を詳しく紹介したいと思います。
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目次
クレジットカードのショッピング保険とは
- クレジットカードで買物をした商品が規定された日数以内に壊れた場合や盗難に遭った場合に損害が補償される保険
クレジットカードのショッピング保険は、クレジットカードで買物をした商品が、購入日から一定期間内に壊れたり盗難に遭った際にその損害を補償してくれる保険で、万が一の際にとても役立ちます。
ショッピング保険は、クレジットカード会社が損害保険を取扱う保険会社と契約をして無料で提供しているサービスで、カード会員はショッピング保険の保険料を支払う事なくこのサービスを受ける事ができる仕組みになっており、現金払いで購入するよりもお得です。
自分へのご褒美で買った服、プレゼントに買った時計などなど、ショッピング保険があればイザという時の破損や盗難でも安心できます。
とは言え、保険ですので対象外の商品や、故意又は重過失がある場合には補償はされませんので注意が必要です。そこで補償内容や条件などショッピング保険について詳しく紹介します。
ショッピング保険の補償期間
ショッピング保険には補償期間というものが設定されており、主に以下の2パターンの補償期間があります。
- 購入日より90日間
- 購入日より180日間
一般的には購入日より90日間の補償期間を設定しているクレジットカード会社が多いです。(一部購入日の翌日から90日間の場合あり)
イオン銀行の発行するイオンカードのショッピング保険は、購入日から180日以内が補償期間となっており、他のカードよりも長い補償期間があります。また、クレディセゾンのアメックスブランドのカード(セゾンブルーなど上位クラス)は、120日間の補償期間があります。
この補償期間内であればショッピング保険が使えます。ですので、補償期間を過ぎてしまった場合にはショッピング保険を利用はできませんので、いつまでも補償してもらえる訳ではありません。
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ショッピング保険の補償限度額
ショッピング保険には、年間の補償限度額が設定されており、その範囲内で補償金が支払われます。1年間の限度額ですのでそれを超えると補償はされません。また、年間補償限度は1年毎に回復します。
ショッピング保険の補償限度額に関しては、クレジットカードの種類やクラスによって異なり、ゴールドカードやプラチナカードなど上位クラスほど限度額は高く設定されています。
- 一般的に年間最高50~500万円の補償限度額
一般カードの場合はたいてい50万円の限度額が設定されている場合が多いです。100万円を超える限度額が設定されているのはゴールドカードなどとなります。
基本的には1年間で何度でもショッピング保険は利用できますが、補償限度額を超えて補償はされません。
ショッピング保険の自己負担額
ショッピング保険を使って損害を補償してもらう場合には、多くの場合自己負担額というものを支払う必要があり、1品ごとに自己負担額を支払う必要があります。
- 主に3,000又は10,000円の自己負担額
自己負担額はクレジットカード会社及びカードの種類により3,000円又は10,000円の自己負担額が設定されています。まずその金額を負担してそれを超えた部分をショッピング保険で補償するというものです。従って、自己負担額を超えない商品の場合はショッピング保険は意味がありません。
尚、一般的な保険では自己負担額は保険料を抑える目的で設定されています。
主なカード会社 カードの種類 |
自己負担額 |
---|---|
イオンカード クレディセゾン* (ゴールドカードセゾンなど) |
自己負担額なし (免責金額あり) |
三井住友カード 三菱UFJニコス ジェーシービー(ゴールドカード以上) dカード セディナ ポケットカード ジャックスカード ライフカード(ゴールドカード以上) リクルートカード 他 |
3,000円/1品 |
ライフカード(一般) | 5,000円/1品 |
ジェーシービー(一般) アメリカン・エキスプレス ダイナースクラブ 他 |
10,000円/1品 |
※ 自己負担額は、カードのクラスが高いほど少ないという訳ではありません。クレジットカード会社によってまちまちです。
カード会社によってショッピング保険の表現が異なる
ショッピング保険と呼んでいますが、正確には「動産総合保険」と呼ばれる保険の種類になります。クレジットカード会社によっては表現が異なる場合があります。
カード会社 | ショッピング保険の名称 |
---|---|
三井住友カード | お買物安心保険 |
三菱UFJニコス | ショッピング保険(MUFGカード) ショッピングパートナー保険(NICOSカード) ショッピングセイバー(DCカード) |
ジェーシービー (JCB) |
ショッピングガード保険 |
アメリカン・エキスプレス | ショッピング・プロテクション |
ダイナースクラブ | ショッピング・リカバリー |
クレディセゾン | ショッピング安心保険 |
エポスカード | エポスお買物あんしんサービス |
イオンカード | ショッピングセーフティ保険 |
オリコカード | ショッピングガード |
dカード | お買物あんしん保険 |
※ ショッピング保険は全てのクレジットカードに付帯している訳ではありません。ゴールドカード以上に付帯している場合などクレジットカード会社・カードの種類によって異なります。
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ショッピング保険の主な対象外となる場合(状況など)
クレジットカードのショッピング保険は、どんな状況でも補償されるという訳ではありません。補償されない場合や状況もあります。ショッピング保険の主な対象外となる場合には以下のようなものがあります。
- 故意又は重大な過失、法令違反に起因する損害
- 商品の自然による消耗や商品の性質上のさび、カビ、変質、変色、虫食い等など
- 使用による品質や機能の低下、磨耗、腐蝕による損害など
- 商品の瑕疵・欠陥に起因する損害
- 戦争、暴動、反乱、その他の事変に起因する損害
- 国や公権力の行使に起因する損害
- 核燃料物質に起因する損害
- 紛失や置忘れに起因する損害(置忘れ後に生じた盗難も含む)
- 水害、地震、噴火に起因又はこれらに伴い生じた損害
- 詐欺又は横領に起因する損害
- 故障による損害
- 商品の誤使用に起因する損害
- 商品の配送中に生じた損害
- 管球類の単独損害(液晶の単独損害など)
- 商品機能に直接関係のない汚損、擦損、塗料の剥落、その他外形上の損害
- 楽器の音色、音質の変化や弦の切断など
- 美術品の損害に対する価値の下落
- 原因のいかんを問わず、温度、湿度の変化、空気の乾燥等によって生じた損害
重要な部分としては、故意に壊したり紛失・置忘れなどは補償されません。また、正しい使い方をしていなかった場合や、商品が配送業者によって配送中の破損なども補償されないので注意が必要です。
他にも、地震や水害など自然災害によって壊れたりした場合や、商品が詐欺的なものだった場合も補償の対象外となっています。
※この他にもクレジットカード会社によってショッピング保険の対象外となる状況などが設定されている場合もあります。詳しくは各クレジットカード会社の保険のあらまし等でご確認ください。
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ショッピング保険の主な対象外となる商品
先ほど紹介した対象外となる場合の他に、対象外となる商品もいろいろとあります。これらの商品はショッピング保険の対象外となっており、補償されることはありません。
- 船舶(ヨット、モーターボートおよびボートを含む)、航空機、自動車、自動二輪車、原動機付自転車、自転車、雪上オートバイ、ゴーカート、ハンググライダー、パラグライダー、サーフボード、セーリングボート、ラジオコントロール模型およびこれらの付属品
- 義歯、義肢、コンタクトレンズその他これらに類するもの
- 動物および植物
- 現金、手形、小切手、その他の有価証券、印紙、切手、乗車券など(鉄道・船舶・航空機の乗車券・定期券・宿泊券・観光券及び旅行券)、旅行者用小切手及びあらゆる種類のチケット
- 食料品
- 稿本、設計書、図案、帳簿その他これらに準ずるもの
- 不動産および不動産に準ずるもの
- 移動電話、ポケットベルなどの携帯式通信機器およびこれらの付属品*
身近な物では自転車やコンタクトレンズなどの商品は対象外となっています。また、自動車やバイクなどは車両保険などがありますし、食料品や動物・植物なども対象外となっています。
携帯電話・スマホに関しては、クレジットカード会社によって対応は異なります。一般的にスマホ等の破損は補償の対象外ですが、イオンカードとダイナースクラブはスマホの破損に関しても補償の対象となっています。
※この他にもクレジットカード会社によってショッピング保険の対象外となる商品が設定されている場合もあります。詳しくは各クレジットカード会社の保険のあらまし等でご確認ください。
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クレジットカードのショッピング保険の注意点
いざという時に役立つショッピング保険ですが、やはり保険ですので注意点がいくつかあります。
全てのクレジットカードにショッピング保険が付帯している訳ではない
クレジットカードのショッピング保険は、全てのクレジットカードに標準で付帯している保険ではありません。ショッピング保険が付帯していないクレジットカードもありますし、次に紹介するようにショッピング保険の付帯には条件があるカードもあります。
ショッピング保険が必要という方は、申込の際にそのクレジットカードにショッピング保険が付帯しているのかしっかりチェックが必要です。また、クレジットカード会社やカードの種類によって補償内容はさまざまです。
いろいろなショッピング保険の補償内容を比較してみて自分にあったクレジットカードを選択することがポイントとなってきます。
ショッピング保険には支払方法や国内・海外利用など適用条件が決まっている場合がある
ショッピング保険が付帯と記載されていても、どのようなショッピングでも適用される訳ではない場合もあります。
クレジットカードの中には、海外ショッピングの場合にショッピング保険が適用されたり、リボ払いや分割払いのショッピングならショッピング保険が適用されるといった条件が決まっている場合があります。
クレジットカードを申込む前にそのカードのショッピング保険がどのような買物で有効となるのかチェックが必要です。
主なカードの種類 | ショッピング保険の 適用範囲 |
---|---|
三井住友VISAクラシック 三井住友VISAクラシックA 三井住友VISAデビュープラス (MasterCardも含む) |
海外利用 国内でのリボ払い、分割払い(3回以上) マイペイすリボ(国内・海外) |
MUFGカードゴールド MUFG一般カード MUFG Initial(イニシャル) |
海外利用 国内でのリボ払い、分割払い(3回以上) 楽Pay(国内・海外) |
JCB一般カード JCB CARD EXTAGE |
海外利用 支払い名人(国内・海外) |
イオンカード | 国内・海外利用 |
エポスカード* | 国内・海外利用 (別途保険料1,000円/年間で付帯) |
※ エポスカードはショッピング保険は自動付帯ではなく、別途申込をして保険料を年間1,000円支払う事でショッピング保険が付帯します。(保険料はエポスカードでの支払いとなります)
自己負担額を支払う場合と免責金額が設定されている場合がある
ショッピング保険の多くには自己負担額というものが設定されています。ショッピング保険で補償を受ける場合に自己負担する金額が3,000円や10,000円など決まっています。
ただ、クレジットカード会社によっては自己負担額は不要だけれども、代わりに免責金額というものが設定されている場合があります。これは、商品の損害額がその金額以上の場合にショッピング保険が適用されるというものです。その額に満たない場合はショッピング保険は利用できません。
例えばイオンカードでは自己負担額はありませんが、1品5,000円以上の商品がショッピング保険の補償の対象となっており、それ以下の商品の損害は補償されない仕組みになっています。
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クレジットカード会社への連絡は速やかにしなければ補償されない
ショッピング保険で損害を補償してもらう場合には、クレジットカード会社へは速やかに連絡する必要があります。この連絡が遅れてしまうと補償されません。
- 一般的には30日以内に連絡が必要
多くのクレジットカード会社では、破損などの事故や盗難被害に遭った場合30日以内に連絡をしなければ補償を受けられません。とにかくショッピング保険対象の損害が発生した場合は速やかに連絡する事が大切です。
ショッピング保険を利用するには売上票など必要書類などがある
補償の対象となる損害が発生した場合に、ショッピング保険を利用する場合には必要書類を用意しなければなりません。また、それ以前に必ず損害が発生した時点で速やかにクレジットカード会社への連絡や盗難の場合には警察へ届出も必要です。
後は、損害の種類によって必要書類が変わってきます。詳しい必要書類に関してはクレジットカード会社へ連絡をした際に確認し準備が必要です。
売上票(利用者控え)は、絶対に必要となりますので捨てずに保管しておく事が重要です。これが無ければそもそもそのクレジットカードで購入したのかも証明できません。
損害の種類 | 必要書類 |
---|---|
破損 | 保険金請求書、修理費見積書または領収書、売上票(控え)、損害状況写真(又は現物)、その他の関係書類 |
盗難 | 保険金請求書、羅災証明および盗難届出証明書、売上票(控え)、その他の関係書類 |
火災 | 保険金請求書、修理費見積書または領収書、売上票(控え)、羅災証明および盗難届出証明書、損害状況写真(又は現物)、その他の関係書類 |
その他 | 保険金請求書、修理費見積書または領収書、売上票(控え)、損害状況写真(又は現物)、その他の関係書類 |
※ クレジットカード会社や状況によって必要書類が異なる場合があります。
※ 必要に応じて保険会社より別途連絡がある場合もあります。
※ 破損等した場合には必ず写真や現物が必要となります。勝手に処分すると補償されません。
その他の関係書類に関しては、それぞれの状況によって求められる場合があります。例えば商品配送後の損害であれば受領証で到着日の確認が行われたりする事もあります。
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クレジットカードのショッピング保険のメリット
クレジットカード付帯のショッピング保険のメリットは、何といっても保険料を支払わずに万が一の破損や盗難の際にその損害を補償してもらえる点です。
普通に現金で購入した場合このような保険は付いていません。しかし、ショッピング保険が付いているクレジットカードで購入するだけでその商品の破損などの損害を一定期間補償してもらえますので安心です。
もちろん対象外の商品や過失などによっては補償されない場合もありますが、イザという時にあるのと無いのでは大きく違います。特に高い買物をした場合などにはショッピング保険の補償があると安心です。
例えば、海外旅行で購入した高価なバッグが盗難に遭った場合でも、過失さえなければショッピング保険で補償してもらえます。現金で購入していた場合はこの様な補償はありません。
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クレジットカードのショッピング保険のデメリット
一方のショッピング保険のデメリットとしては、いろいろと対象外の場合や商品がある点、そして自己負担額の支払いが必要という点です。また、クレジットカードの種類によっては海外利用の場合やリボ払いで適用といった付帯条件が設定されている場合もあります。
対象外商品もそうですが、対象外の場合、起因する損害がネックとなる場合もあります。
例えば、ショッピング保険は配送中の損害には対応していません。また、誤使用により故障した場合なども対象外となっています。他にも盗難は対象となりますが、紛失は対象となりません。過失がある場合や故意が疑われるような場合にはショッピング保険では補償してもらえません。
また、購入したクレジットカード売上票や盗難の場合は警察への盗難届が必要となる他、状況によって修理見積書や現物写真、全損証明書など必要書類や手続きを行ったり、保管しておく必要があります。
いざという時に役立つショッピング保険ですが、売上票の保管など忘れないようにしておかないといけません。
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クレジットカード付帯のショッピング保険と紛失・盗難保険は違う
クレジットカードに付帯しているショッピング保険と、これとは別に紛失・盗難保険が付帯しています。年会費無料のクレジットカードでも、ショッピング保険は付帯していなくても紛失・盗難保険は付帯している場合がほとんどです。
紛失・盗難保険は、ショッピング保険の代わりではありません。クレジットカードで購入した商品の紛失・盗難を補償するものではなく、クレジットカードのカード自体を紛失又は盗難被害に遭い損害が発生した場合に補償されるという保険です。
- ショッピング保険はクレジットカードで自分が購入した商品が破損・盗難の被害により生じた損害が補償対象
- 紛失・盗難保険は、クレジットカード自体を紛失・盗難により第三者に不正使用され発生した損害が補償対象
例えば、クレジットカードを紛失し、誰かが拾って勝手に買物をされた場合など、損害が発生すればそれを補償してくれるという保険です。(一般的に届出から60日前にさかのぼりそれ以降に発生した損害が補償されます)
この様に、ショッピング保険と紛失・盗難保険は全く別の違う保険ですので混同しないように注意が必要です。