支払可能見込額の調査とは?分割払いやリボ払いの利用可能枠の決まり方

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クレジットカードには分割払いやリボ払いといった便利な支払方法があります。しかし、いくら利用しても翌月1回払いとは異なりこれらの支払方法は、1回の支払額の負担が少なくて済むのでついつい利用しすぎてしまい気付けば支払に困ってしまうという人もいます。

消費者がそういった事態に陥らないように、2010年に割賦販売法が改正され1回払いを除く分割やリボ、ボーナス払いなどの割賦枠の利用可能枠を設定する際に、支払可能見込額の調査とそれに基づいた利用可能枠を設定するように義務付けられました。

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割賦販売法に基づく支払可能見込額の調査

割賦販売法では、過度なクレジット利用で消費者が債務によって生活が困ることがないように支払可能見込額の調査を義務付けています。この支払可能見込額は、その人の年収から生活維持費とクレジット債務を引いて計算されます。計算式としては以下の様になります。

  • 支払可能見込額 = 年収 – 生活維持費 – クレジット債務(年間請求予定額)

※ ショッピング1回払いは翌月に全て支払が完了しますので割賦販売法の範囲外です。分割払い、リボ払い、ボーナス一括払い、ボーナス二回払いなどが対象となります。

年収

年収はクレジットカードを申込む際の自己申告した情報となります。

割賦販売法に基づく支払可能見込額の調査では、年収を証明する書類の提出を求められる事はありません。あくまでも自己申告の金額となります。但し、キャッシング枠を同時に希望していた場合は、別の貸金業法の法律に基づいて年収を証明する書類の提出を求められます。

生活維持費

生活維持費には色々なものが含まれています。食費はもちろん水道光熱費といった公共料金や固定費など、それに家が賃貸なら賃料、持ち家でローンがあればその費用もあります。しかし、支払可能見込額の調査ではこれらを具体的にいくらというように調べたり申告する必要はありません。

統計を元にした経済産業省令で定められた金額が当てはめられます。生活維持費は世帯人数や持ち家か賃貸、またローンや賃貸費用負担があるかどうかによって分けられています。

1人世帯と4人世帯だとやはり大きく違いますし、世帯人数が増えるとその分生活維持費は増えます。一般的に若くして世帯人数が多いとやはりその分支払可能見込額が少なくなってしまいます。

居住形態 持ち家で住宅ローン無し
又は
持ち家無しで賃貸負担無し
持ち家で住宅ローン有
又は
持ち家無しで賃貸負担有
1人世帯 90万円 116万円
2人世帯 136万円 177万円
3人世帯 169万円 209万円
4人世帯 200万円 240万円

※ 生活維持費は生活地域によって区分されていて、この表の85~100%の範囲内で定められています。

クレジット債務(年間請求予定額)

これは1回払い以外の年間クレジット利用額(割賦利用額)で、現在の分割払いやリボ払い、ボーナス払いなどを1年間に支払う合計額になります。クレジットカード会社は加盟する指定信用情報期間に登録されている情報を元にしています。

例えばCICの信用情報には割賦販売法の登録内容という項目があり、そこに年間請求予定額という項目がありその金額が当てはめられます。

支払可能見込額を元にして利用可能枠を設定(包括支払可能見込額)

分割やリボ払いの利用可能枠の設定は支払可能見込額を調査しただけで決まる訳ではありません。そこに経済産業大臣が定める割合を乗じてその金額内で決定されます。

経済産業大臣が定める割合は90%です。

支払可能見込額×90%までが実際に設定される利用可能枠でいわゆる包括支払可能見込額と呼ばれるものです。

利用可能枠の算出例

■ 年収260万円で1人世帯、賃貸住み、クレジットの年間請求予定額が40万円の場合

(260万円-116万円-40万円)×0.9=93万円となり、94万円までで利用可能枠の設定が行われます。

■ 年収550万円で4人世帯、持ち家ローン有り、クレジットの年間請求予定額が120万円の場合

(550万円-240万円-120万円)×0.9=171万円となり、171万円までで利用可能枠が設定されます

包括支払可能見込額がそのまま設定される訳ではありません

この様に利用可能枠(包括支払可能見込額)の算出を行いましたが、この金額がそのまま利用可能枠として設定される訳ではありません。クレジットカード会社はカードの種類毎にだいたいの利用可能枠を決めていますので、算出で171万円となってもそのままその額が利用可能枠にはなりません。

例えば三井住友VISAクラシックカードなら、リボ・分割払いの利用可能枠は0~80万円の間と決まっています。包括支払可能見込額がこれを超えても会社のカードの設定で80万円までとなっていますので、80万円を超えて設定されることはありません。もちろん80万円以下に設定される事もあります。

あくまでも包括支払可能見込額は法律に基づいて消費者の過剰なクレジット利用による被害を防止するためのものです。

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割賦枠の利用限度額は定期的に見直されるそのタイミングについて

支払可能額を元にした分割払いやリボ払いなどの割賦枠の設定は、入会時に調査し設定されるだけではありません。年月の経過と共に年収も上がるでしょうし、クレジット債務(年間請求予定額)も毎年変わる可能性があります。

そのため、クレジットカード会社では新規契約時や契約後定期的に利用可能枠の見直しのため調査が行われます。そのタイミングは以下のような場合です。

  • クレジットカードの新規発行時
  • 有効期限到来によるカード更新時
  • 分割、リボ枠の増枠を希望した時

クレジットカードの新規発行時

クレジットカードを新たに申込みした場合には、審査の際に支払可能見込額を調査して利用可能枠の設定を行います。

有効期限到来によるカード更新時

次にクレジットカードには有効期限があります。この有効期限が来るとクレジットカード会社はそのタイミングで審査を行います。その審査の際にも支払可能見込額を調査がおこなわれ現状に合わせた利用可能枠の設定を行います。

従って、有効期限がきて更新後に利用可能枠が増えているという事もあります。もちろん、転職して年収が下がった場合や分割払いやリボ払い残高が多い場合には利用可能枠の減少という事もありえます。

知らないうちに利用可能枠が増えていたという事もあると思いますが、この様に有効期限到来によるカードの更新時の審査で支払可能見込額が増え。それに伴い利用可能枠が増えるという事もあります。

分割・リボ枠の増枠を希望した時

クレジットカード会社によっては、分割払いやリボ払いの利用可能枠を途中で継続的に増枠を希望することができます。増枠を希望する場合も審査が行われます。

支払可能見込額の調査が省略される例外措置もある

割賦販売法で義務付けられているこの支払可能見込額の調査は例外措置があります。

  • 利用可能枠が低い場合
  • 一時増枠の場合
  • カード更新時の債務残高が5万円未満の場合
  • 紛失や再発行の場合
  • 家族カード等の追加カードの場合

利用可能枠が低い場合

クレジットカード会社は、利用可能枠が30万円以下で発行する場合、支払可能見込額の調査はせずに信用情報で延滞や過剰な債務が無いかを確認して発行が可能となっています。

一時増枠の場合

クレジットカード会社によっては、海外旅行や冠婚葬祭、引越しなど一時的に大きな利用などをする場合に一時増枠が可能な場合があります。この場合は電話で利用目的や利用場所などを確認することで与信審査無しに一時的増枠が認められています。

カード更新時の債務残高が5万円未満の場合

クレジットカードには有効期限があり、更新時に債務残高が5万円未満の場合は審査なしで更新でき、5万円以上の場合は簡易な審査で更新ができるようになっています。

紛失や再発行の場合

有効期限内にクレジットカードを紛失や再発行をした場合は支払可能見込額の調査は不要となっています。

家族カード等の追加カードの場合

家族カードなど、追加カードの場合は本会員の利用限度額の範囲内ですので調査の対象とはなりません。

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- クレジットカードの基礎知識